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【年内最終出荷および年末年始休業のご案内】2025年12月29日(月)11時のご注文/入金分までを年内出荷いたします。それ以降のご注文は年明け2026年1月5日(月)以降の出荷となりますので、ご注意ください。また、2025年12月30日(火)~2026年1月4日(日)まで年末年始休業とさせていただきます。

【年内最終出荷および年末年始休業のご案内】2025年12月29日(月)11時のご注文/入金分までを年内出荷いたします。それ以降のご注文は年明け2026年1月5日(月)以降の出荷となりますので、ご注意ください。また、2025年12月30日(火)~2026年1月4日(日)まで年末年始休業とさせていただきます。

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黄色のボックスは、かんぷれ BaseのUART用Grooveコネクタに接続された、3.5mmジャックを使用する外部コントローラーを接続するためのインターフェース。この他にもレガシーなMIDIインターフェースなど、さまざまな外部機器接続用のインターフェースが企画されている点も、インスタコードから進化したポイントだ。それらの機器の開発などにはnecobit さんが大きく関わっていくことになるという。こちらの方にも期待したい。

オープンソースコミュニティのM5Stackと合体する、かんぷれのライセンスとは

かんぷれの開発、製造、販売の主体はM5Stack社ではなく、あくまでInstaChord社となる。InstaChord社にとっては将来に向けて、KANTAN Musicをライセンス化する際のリファレンスとしての役割も担っている。

永田
「インスタコードやかんぷれの演奏システムにはこんな使い道もあるよ、と提示しやすくなりました。かんぷれ内のⅠ〜Ⅵの数字で演奏する『KANTAN Music』のアプリケーション部分にはライセンスが発生しますが、その部分のプログラムはかんぷれのハードとくっつけないと動かないようになっています。ハードと一緒に使ってください、アプリケーション単体で使うのは規約違反になります、と。ハード部分のファームウェアはオープンになるので、逆にハード単体でゲーム用のコントローラーとして使うなど、全く別の用途に使うことは自由です」

それでは、スイッチサイエンス社との関わりは、どのようなものなのだろうか?

九頭龍
「InstaChord社からの依頼ではなく、あくまでM5Stack社の日本代理店として動いています」

高須
「代理店としては、とにかくM5Stackを広めていきたいです」

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かんぷれ Baseは電子楽器かんぷれのUIとしてだけではなく、ボタンやロータリーエンコーダーをはじめ、音源チップ、独自のDACと加速度センサー、音声出力ジャック、追加のGroveポート、バッテリーなど、さまざまな機能をM5Stackに供給し、それらをコンパクトにかつ高いデザイン性で扱いやすくまとめた汎用コントローラーとしても利用できる。M5Stackの開発環境自体がArudinoをベースとするものなので、今後公開されるファームウェアと合わせれば、既に公開されているさまざまなライブラリを容易に活用できる。

Makerムーブメントからの出発

編集部:インスタコードから始まり発展した、現在のリッチな人材がそろった開発チームの環境については、ご自身はどのように感じていますか?

永田
「インスタコードを一緒に開発した宇田道信さんは今回登場しませんが、宇田さんと仲違いしたわけではなく、別の開発案件で動けなかっただけで(笑)。今回もスイッチサイエンスさんなど一流の人を集めて仕事ができるというのは、ベンチャーの強みかなと思っています。大きな企業だと内製でやらなければならない部分も、世界からすごい人を自由に集めて、最短ルートで成功へ持っていけるのが楽しいし、良いものが作れる要因だと思いますね」

編集部:そうした名うてのエンジニアやビジネスパーソンがなぜ永田さんの元に集まってくるのでしょうか?

永田
「インスタコードのときもそうでしたが、そこは答えが出なくて。いい人っぽく、一生懸命やってるように見えるからじゃないですか(笑)」

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自分の元に優秀な仲間が集まる理由を「いい人っぽくて、一生懸命そうに見えるから(笑)」と話す永田さん。スタートアップでは技術力も大事だが、プロジェクトをけん引するリーダーの人柄も重要だ。

高須
「そもそも今回関わっているメンバーはほぼ全員、インスタコードのクラウドファンディングでバックしているんですよ(笑)。みんなMaker Faireでつながりはあったんです。でも、DIYはやるんだけど、大きなお金を動かす必要のあるプロジェクトをゼロから自分でやろうという人はあんまりいないんですよ。いない理由は単純に難しいからだと思うんですけど、大きい夢と絵を描ける人がいた、ということはすごく大きいと思うんです」

永田
「Makerの人はすごく応援してくれてます。個人プロジェクトでそういうプロセスを踏んでいる人の例があまりないので、そこへの期待とか応援の気持ちを感じますね」

編集部:作っている側からすると自分たちに足りない要素を永田さんに見いだして、永田さん側も自分に不足している要素をMakerのコミュニティを通じて人とつながることで、それらがうまく組み合わさっていく、そんな期待感が両者にあったということですね。

九頭龍
「スイッチサイエンスのポリシーとしては、うちのお客さんが困ってたら全力サポートする、という姿勢で、永田さんもお客さんの一人だったので全力サポートしようと(笑)。で、そういう人は基本的に大抵面白い人なんですよ(笑)」

高須
「necobitさんのMIDIだったり、らびやんさんのプログラムだったり、それぞれの部分ではプロとしての仕事をしてるんですけど、永田さんだけ他の人にはできなさそうな規模の大きいことをやってるんですよ。

こんな大きな案件が1年に何件あるかジミーに尋ねると、滅多にないと答えていましたね。開発者たちはみんなMakerだから、いつも何かを作っていたい。でも普段は誰かに頼まれた仕事や、趣味から仕事になったものを作っているけど、たまにすごく面白そうな仕事が見つかると、みんな喜んで乗ってきますよね(笑)」

かんぷれとインスタコードのこれから〜海外展開を目指して

編集部:クラウドファンディングでの資金調達が成功した場合に出荷を予定している2025年4月までと、それ以降の予定を教えてください。

永田
「クラウドファンディング達成後、部品調達の時間も含めて4月までは構造設計や基板設計を進めます。その後、クラファン以降に欲しいと思った人を集めて、できれば楽器店に流通させたいと思っています。製品が届いた後にユーザーの皆さんが使い方を編み出して、それがまたさらに広まって、ということもあると思うので」

編集部:インスタコードでの経験は今回どのようなところに生かされていますか?

永田
「インスタコードは海外での展開も考えていますが、一遍に海外にも出すとサポートなどが大変ですし、まずはファームウェアアップデートで本体や、工場での製造工程を洗練させているんです。かんぷれも同じ考え方で、前段階の日本でしっかり洗練させて、それから海外にと考えています」

インスタコードは日本でゼロから設計開発され、クラウドファンディングを利用して製造販売し、そこからさらに大量生産品にまでたどり着いた、という意味では実はまれな存在でもある。永田さんの掲げる「誰でも弾ける楽器」という、ある種無謀とも言えるほどの壮大な理想と、そこに向かって突き進む永田さんの「熱」こそが、多くの人々を突き動かす原動力となっているのかもしれない。永田さんとかんぷれの今後を、ますます期待して見守っていきたい。気になった方は、Kibidangoのクラウドファンディングページから、ぜひバックしておくことをお勧めする。


※本記事はfabcrossに掲載されていた記事を許可を得て転載したものです。
(現在、元記事は削除されております。)

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