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【年内最終出荷および年末年始休業のご案内】2025年12月29日(月)11時のご注文/入金分までを年内出荷いたします。それ以降のご注文は年明け2026年1月5日(月)以降の出荷となりますので、ご注意ください。また、2025年12月30日(火)~2026年1月4日(日)まで年末年始休業とさせていただきます。

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Jul 09 2025

誰でも弾けて何にでもなれる、理想を追い求めたガジェット楽器「かんぷれ」

※この記事は、以前「fabcross」に掲載されていたものを、許可を得て転載しています(現在は元記事は公開されていません)。

ライター:polymoog
撮影:宮本七生

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初代ゲームボーイほどのサイズに液晶画面と電卓やテンキーのようなボタンが並ぶ「かんぷれ」。液晶画面の横にはばね付きのジョグダイアルやロータリーエンコーダーも。ステレオスピーカーやヘッドホン端子も内蔵し、これ一台で気軽に演奏を楽しむことができるのだが、その小さな筐体はさらなる大きな可能性を秘めている。

“誰でも弾ける”を目指した電子楽器「インスタコード」から生まれた新楽器「かんぷれ」

2020年に登場し話題を集め、高額クラウドファンディングの成立、そして AIWA ブランドからエントリーモデルのリリースと、大成功を収めたインスタコード。液晶ディスプレイに表示されるコード(和音)ネームと同じ配列で並ぶボタンを押すだけで、初心者でもすぐコード演奏ができるようになるウクレレサイズの電子楽器だ。インスタコードの演奏システムは WEB アプリ「KANTAN Play online」でも体験できる(スマートフォンではタップ操作、パソコンではキーボード操作で演奏できる)。それらのプロデュースを手がけたゆーいち(永田雄一)さんが新たに取り組んでいるのが、かんぷれだ。

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左から、かんぷれ、WEBアプリ KANTAN Play online、インスタコード。

インスタコードの「誰でも弾ける」演奏システムをさらに広めるために、その先へ

インスタコードを製造・販売する過程ではさまざまな人々との出会いがあった。永田さんは、Maker FaireなどのDIYコミュニティやアメリカの楽器見本市であるNAMMショーなど、技術やビジネスについて語り合う機会が国内外に広がった。一般ユーザーやインスタコードに興味を持った多くの人々と触れ合う機会も増えた。 そうした中、永田さんは1つの思いを抱くことになる。


永田 「誰でも弾けることを目指したインスタコードですが、小学生や障がいを持った方など、両手を使って演奏することが難しい人もいる。そうした人がもっと簡単に演奏できる楽器を目指そうと思っていたんです」

そうした流れの中で、永田さんはGOROmanさんと出会った。OculusやFacebookでVRの伝道師として活動していたGOROmanさんは、インスタコード発売当初からのユーザー。インスタコードに惚れ込み、自らインスタコードを広めているうちに永田さんと知り合い、良き相談相手でもあった。

この頃の永田さんはインスタコードのⅠ〜Ⅵの数字を使って簡単にコード演奏できる音楽システム「KANTAN Music」の国際特許を取得しており、そのライセンスを玩具メーカーや楽器メーカーに提供したいと考えていた。その構想を相談したところ、GOROmanさんがWEBアプリKANTAN Play onlineを提案し、彼自身が制作。

ギター型のインスタコードは片手で演奏するのは難しいが、アプリ版ではリズムマシンのパッド方式で演奏するため、片手で演奏できる(m/M/7thなどの指定のために同時押しは必要)。永田さん自身、このWEBアプリ版にはインスタコードとはまた違った面白みを感じた。また、WEBアプリなら学校の授業でも使えるし、演奏の体験者を増やせる。そして他のメーカーにも説明しやすい。しかしやはり……

永田 「物理ボタンがあった方がいいなと思って。楽器ってノールックで演奏できてなんぼなので(※編集部注:普通の楽器では鍵盤や弦、フレットなどを演奏中常に見ているわけではない)。そのためには物理的な感触が欲しいんですよね」

とも感じた。

M5Stackとの出会い、そしてらびやんさんとの出会い

そうした中、GOROmanさんが深圳を訪れ、M5Stack社の創業者、ジミー・ライ氏と会合する機会があった。そこには深圳をベースに活動するスイッチサイエンスの高須正和さん、京都在住のスイッチサイエンス所属プログラマーでM5Stackのプログラミングに精通するらびやんさんも同席していた。

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fabcross読者には改めて説明する必要はないかもしれないが、M5StackはArdino IDEをサポートし、プロセッサにESP32シリーズを採用したマイコンモジュール。電子工作DIYerやMakerの間でIoTプロトタイピングツールとして広く普及している。

その豊富で柔軟なプログラミング環境や拡張ポートを生かしつつ、液晶ディスプレイや筐体ケース、各種センサーやインターフェースなどを統合し、さらにその敷居を下げたことで、ここ数年、日本を中心とする DIYerやMakerたちの中心的プラットフォームへと成長を遂げた。

その席で、GOROmanさんがジミー氏に、M5Stackに電卓のようなインターフェースをドッキングして電子楽器にするアイデアを提案した。らびやんさんもまた、個人的に入手したインスタコードを深圳に持参。ジミー氏も元々音楽好きだったことから、爆速で製品化へと動き出すこととなる。

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