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【祝発売!】RDK StudioによるRDK X5のセットアップ【RDK X5 / OriginBot Pro JP 発売記念記事 第三弾】

【祝発売!】RDK StudioによるRDK X5のセットアップ【RDK X5 / OriginBot Pro JP 発売記念記事 第三弾】

こんにちは、牧井です。

D-Robotics社のAIロボット開発用シングルボードコンピューター「RDK X5」と、それを利用するロボットカーキット「OriginBot Pro JP」が当社にて発売となりました!「RDK X5」や「OriginBot Pro JP」は、ROS(Robot Operating System)というフレームワークを活用しており、ロボット開発を強力にサポートします。

今回、発売を記念して、当社高須がROSCon JP 2025のワークショップのために書いている原稿を一部再構成しつつ、ROSやRDK X5、OriginBotの紹介記事を公開しています。

第一弾はROSとROS 2の基礎を、第二弾はOriginBot Pro JPとRDK X5について紹介しましたが、第三弾となる本記事では、RDK X5のセットアップについて紹介していきます。


Linuxがインストールされたシングルボードコンピュータ上にROSをセットアップする場合、Linux操作に伴う様々なトラブル(依存関係、ネットワーク設定、permission、環境変数などなど)に見舞われることがあります。RDK X5は最初からROSの環境が、ロボット開発に最適化された形で構築されたOS Imageが提供されているため、その部分の手間をはぶいてロボット開発を始めることができます。

RDK X5のOSイメージには、ROS 2 humbleの環境がすでに構築されています。さらに、物体認識などのソフトウェアやいくつかのカメラ・LiDARなどのドライバもすでにROS 2 humble上に構築され、セットアップの手間が省いてあります(開発元D-Roboticsでは総称してRDK OSと呼称しています。実際はhumble+αなのでhumbleの知識はそのまま使えます)。

もちろんLinux操作に慣れることは良いことですが、RDK Studioを使うことで、「ロボットの開発がしたい」という目的のために、いくつかの手間をショートカットすることができます。

RDK Studioのインストール

開発元のD-RoboticsがWindows/Mac用のソフトを配布しています(Linux版も開発中ですが、普段からのUbuntuユーザーならRDK Studioなしでも、このテキストを読みながらRDK X5にシリアルコンソールなりSSHなりでリモートログインして利用できると思います)。

ダウンロードサイト https://developer.d-robotics.cc/rdkstudio

RDK X5へのネットワーク設定

  1. まず、RDK X5のイーサネットポートとPC/MacのポートをLANケーブルで繋ぎ、電源を入れておきます。
  2. RDK Studioを立ち上げ、画面中央に出てくるチュートリアルをスキップし右上の + HardwareボタンでRDK X5登録を始めます。
  3. Network Cable(Setting WIFI)を選択
  4. デフォルトで出てくるen5をそのままNext。ハードウェアが追加されることで、PC/Macのセキュリティ設定によってはコンピュータそのもののパスワードが要求されます(RDX X5のために新しいパスワードが必要なのでなく、自分のコンピュータのパスワード)
  5. RDKシリーズのOS Imageには、スーパーユーザーのroot、ユーザーのsunriseの二つがあらかじめ設定されています(パスワードはそれぞれrootとsunrise)。ログインするユーザを選びましょう(この記事ではrootで進めます)。
  6. RDK X5ボード側のWi-Fiを設定します。スキャンできたSSID一覧が出てくるので、SSIDを選んでパスワードを設定してWi-Fiを使えるようにします。
  7. ボードに管理用の名前(任意の名称)をつけて設定完了です。

RDK StudioによるLinuxソフトウェア呼び出し

RDK Studio上で、RDK X5内にソフトウェアをインストールする、PC/Macから呼び出すことができます。

ターミナル呼び出し

このアイコンでterminalを呼び出すことができます。root、sunriseそれぞれのユーザでログインできます。

VS Code(サーバ版)

RDK Studio上でRDK X5のLinux環境にソフトウェアをインストールしていくことができます。
VS Code Serverをインストールしてみましょう。
インストールが終了すると、RDK Studio内にこのようにVS Code Serverのアイコンが出てきます。灰色のほうがVS Code Serverのアイコン、白青のものはPC/Mac内のVSCodeと連携するもの。今回は灰色の方で進めます。
この画面まで表示されたら、次は実際にロボットを動かす部分に入ります。

おまけ:RDK Studioで様々なLinuxソフトウェアインストール

VNCによるLinux Desktop呼び出し

RDK StudioソフトでnoVNCソフトをインストールすることで、RDK X5上のLinux Desktopにリモートログインして、PC/Macから操作することができます。

初期パスワードは88888888

↓PC/Macの画面にLinux Desktopが表示され、そのまま操作できます。ネットワーク越しの操作なので反応が少し遅くはありますが、ファイルマネージャなどで直接シングルボードコンピュータ内のファイルが確認でき、エディタで開けることや、Linuxの設定画面にアクセスできるのは楽です。

FTPサーバによるPC/Macとのファイルやりとり

フォルダアイコンのようなものは、FTPサーバ機能です。この機能をインストールすると、RDK X5内のファイルをPC/Macで確認できます(アップロード、ダウンロードもできるはずですが、この記事執筆時点2025/07/10ではパーミッションの問題でできない)。

↓ID/Passwordはsunrise、IPアドレスは設定されているRDK X5のアドレス

↑Mac/PCの画面でRDK X5内のフォルダを確認できる

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第四章では、OriginBotを実際に動作させていきます。ぜひそちらもご覧ください。

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