配線チェッカー（キットB）コンパクトバージョン

seeed studioのblogに本製品（完成品）が掲載され、和訳もされました（下記クリックでseeed社サイトへ飛びます）。

制御盤や電気配線の配線確認を目的に開発された電池駆動式の配線チェッカーの組立キットで、開発はタカチ電機工業のLM-100G電池ボックス付ケースをベースに完成しました。LM-100G電池ボックス付ケースは長らく生産を続けていましたが残念ながら２０２５年秋生産中止になってしまいました。その為急遽LC115H-M2電池ボックス付ケースをベースに再設計し直しました。
（LC115H-M2電池ボックス付ケースは別途購入をお願いします。１０００円程度。LM-100G電池ボックス付ケースは１５００円程度。）
基板取付けは上面ケースにネジ止めするようにして試験端子線を本体に巻きつけられるように周囲にガイドを作りグラマラスなボディーになりました。タカチ付属の２．６ミリのビスは細く比較的柔らかいPLAに対して強く締めすぎると効かなくなります。その為に上面ケースにダミーの取付け穴を両端に追加したのでタカチ付属の２.６mmの短い方のビスで締付け加減を確認してから組立てをお勧めします。
L M-100Gはとてもコンパクトで、購入可能ならこれに合わせた３Dデータを公開しているのでこのキットの構成部品がそのまま使えます。
試験端子線を基板に直付けして持運び性を向上して電気工事士の方に最適。配線チェッカー完成品、キットAより更にコストが下がりポケットに入れて持ち運びに便利。
基板自体は配線チェッカーと同じなので機能も同じです。

※3Dプリント部品が付属します：

• 1組 x 試供品：３Dプリント　LC115H-M2用　上パネル　＋　前面パネル （３Dプリントの色はお選び頂けません）

※タカチ電機工業製 電池ボックス付プラケース（LM-100GまたはLC115H-M2）は付属しません。
　お客様にて別途購入をお願いします。１０００円〜１５００円程度

特長

• 基準導通判定：1Ω以下
  　正常な配線は1Ω以下とし、音とLEDで導通状態を表示します。（初回配線を短絡させて配線抵抗をVR1を調整してオフセットして下さい。）
• 配線振り替わり（負荷経由）の検出
  　振り替わってモーター・リレーなどの負荷を経由した場合、通常1Ωを超える抵抗が現れ、導通異常としてブザー・LEDは反応しません。
  　正常な配線でも切替機（接点経由で接点の接触抵抗がある場合）経由の場合やオープンコレクタの無接点リレーのコレクタ抵抗で1Ωを超える場合があり負荷経由の抵抗は通常3Ω以上なので1Ω以上３Ω以下は断続音と点滅でその状態を判別できる様にVR2で調整出来る様にしています。
• AC/DC切替機能
  　負荷の種類（ACモードー抵抗負荷、誘導性負荷／DCモードー容量性負荷）に応じてトグルスイッチでモードを使い分けます。
  （スイッチはACモードを基準にストッパーを付けて工具箱の中で不用意に切替わらない様にしています。DCモードをメインにされる場合はトグルスイッチを反転しても結構です。）

• 負荷の種類と判定傾向

  • 抵抗性（純抵抗）・・・1Ω以下：正常導通 / 1Ω超：振り替わりと判定（ACモードでもインピーダンスは同じ）
  • 誘導性（モーター・リレー）・・・ DCでは1Ω以下に見えるが、ACで抵抗（インピーダンス）として区別可能
  • 容量性（コンデンサ） ・・・ DCでは一時導通し、数秒後（コンデンサーの容量次第）に音が消える（通電→充電→遮断）
  • 切替器の接点や無接点リレー（オープンコレクタ等）・・・接点抵抗やコレクタ抵抗が高めなので、VR2でしきい値を3Ω程度に調整可能

• 断続音による中間判定機能
  1〜3Ωの範囲にある配線では、連続音でも無音でもなく断続音をブザーで出力します。これにより振り替わりの可能性をユーザーが判断できます。

完成時の仕様

• 電源：
  • 単三乾電池 × 2本（3V）・・・ケース底面としてタカチ電機工業LC115H-M2を使った場合
  • 単四乾電池 × 2本（3V）・・・ケース底面としてタカチ電機工業LM-100Gを使った場合
• 短絡電流：最大 短絡 20mA(直流)　／短絡 10mA(AC矩形波平均値)
• AC出力：ACモード時：5kHz方形波　3V(p-p)（誘導負荷判定用）
• 導通しきい値：配線を短絡させてブザーがなり始めればオフセット調整終了：約１Ω以下（配線長を変えれば再度調整要） / 中間値　調整可：VR2で3Ω抵抗経由で配線を短絡させて設定を推奨
• 表示 ：ブザー音＋LEDランプ

注意事項

• デジタル電流計などの一部機器は内部インピーダンスが非常に低く、誤判定される可能性があります。20μH以下のインピーダンスは検知出来ません。
• 計測機器やマイコン回路の電源等、内部構造、回路が不明な機器には使用しないでください。必ず配線を外して配線単体で確認作業を行ってください。
  （未知の回路内のインダクタンス・キャパシタンスの影響で機器を破損若しくは悪影響の可能性がある為です。）
• スイッチが複数接点やオープンコレクタの場合、経路に1Ωを超える抵抗が出ることがあります。VR2のしきい値を調整して対応してください。
• 配線チェッカーの筐体に使用している３Dプリント材料（PLA)は夏場の外気温以上の場所、直射日光の当たる野外や車内に放置すると変形します。保管温度や使用温度には呉々も注意して下さい。
• ACモードの周波数を1kHz, 2kHz, 3kHz, 4kHz, 5kHzに変更する事は可能です。初期設定は5kHzになります。

開発の背景

配線チェッカーの原点は、1960年代から誤配線確認に使われていた National製ホロホロブザー。
その後、（有）アクト電子様の マイコン型導通チェッカー が開発され、これをベースに改良を重ね、現在の配線チェッカーが完成しました。
電子基板用で調べようとする回路に影響を与えないよう、低電圧・低電流でチェックします。（DC0.5V/0.1mA）基本機能の7割はこれをベースにして同じ設計者が調和の取れる様に今回の要素を追加設計しています。その基本設計も２０１５年から何度も改良を重ねて今回の配線チェッカーに進化しています。
電子回路の導通チェッカーにお勧めです。
参考URL:マイコン型導通チェッカー（(有)アクト電子様hp）

内容物

• 1 x 配線チェッカー 基板（一部部品以外は実装済）
• 各1 x ワニ口クリップ 赤 & 黒　＋　配線長さ: 約５０cm　2本：配線の色は変わる場合がありますが両方同じ色にします。
• 1 x スライドスイッチ 1回路2接点 基板用
• 1 x 3Ω抵抗（VR2調整用）
• 1セット x プラスチック用ねじ（基板取付け用）　3 x 6mm(樹脂用）
• 1組 x 試供品：３Dプリント　LC115H-M2用　上パネル　＋　前面パネル （３Dプリントの色はお選び頂けません）
  ※タカチ電機工業製 電池ボックス付プラケース（LM-100GまたはLC115H-M2）は付属しません。

資料

• サポートページ
• LC115H-M2を使った場合の組立て
• LM-100Gを使った場合の組立てル
• LC115H-M2を使った場合の3Dモデル
• LM-100Gを使った場合の3Dモデル

こちらの商品は、W&Tさんからの受託販売商品です。
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