小型ロボットPetoi Bittleを触ってみました
(2023年8月追記)本記事で解説しているTinkerGen(CodeCraft)は現在Petoi Bittleでのサポートを終了しています。同じくScratchベースのPetoi Coding Blocksのご利用をご検討ください。
Petoi Bittleは、金属サーボ9個を搭載したプログラミング可能な小型の犬型ロボットです。
搭載しているボードはArduino UNOをベースにカスタマイズしたNyBoardです。サーボ12個が制御可能なドライバや複数のGroveポート、加速度センサなどを備えています。
内容物
Petoi Bittleには2種類のパッケージ(組み立て済みのPre-assembled Package・自分で組み立てを行うConstruction Package)があります。
今回試用したのはPre-assembled Packageでした。製品版ではないため、細かな仕様は異なる場合があります。内容物は以下の通りです。
- Petoi Bittle本体
- バッテリー
- 赤外線リモコン
- アダプタ
- USBアダプタ
- Bluetoothアダプタ
- Wi-Fiアダプタ
- キャリブレーション用の治具
- 交換用パーツ(サーボやネジ)
また、サンプルの中には下記のようなオプションも用意されていました(製品版には含まれていません)。
- Intelligent Vison Sensor 3
- Intelligent Vison Sensor 3用カード約30種
- Grove接続のセンサ4種
- タッチセンサ
- 環境光センサ
- 人感センサ
- ジェスチャーセンサ
動かしてみる
まずはPetoi Bittleを動かしてみました。工場出荷時にサンプルプログラムが書き込まれているため、箱から出してすぐに遊ぶことができます。付属する赤外線リモコンとアプリから操作可能です。
赤外線リモコンだけで様々な動作やポーズを指示できます。いろいろと試してみました。動画をご覧ください。
思ったよりも速く歩行しました。机の上で落下しないように対策が必要ですね。
アプリから操作するには、NyboardにBluetoothアダプタを接続します。背中の蓋を開けるとNyBoardにアクセスできるので、NyBoardのピンソケットにBluetoothアダプタを差し込みます。
アプリ名は「Petoi」です。AndroidとiOS両方のアプリストアからダウンロードできます。
アプリを開くとBluetooth機器一覧がリストされるので、"bittleSPP-XXXXXX"を選択します。以下の画面が表示されれば接続完了です。設定からペアリングをする必要がないので簡単です。
操作できる種類は赤外線リモコンと同じのようです。画面左は歩行関係、画面右はポーズや一連の動作(腕立て伏せなど)となっています。
プログラミングしてみる
Petoi Bittleには3種類のプログラミング開発環境が用意されています。
- TinkerGen
- Arduino IDE
- Python(シリアルコマンド送信用API)
今回は一番簡単なTinkerGenで書き込みを行ってみました。
Arduino IDEで使用するときは公式ドキュメント(日本語)の手順に沿って、インストールを完了させてください。
Pythonで使用するときはUser Guide(英語)をご覧ください。
TinkerGenでプログラミング
Seeedが提供しているTinkerGenを用いて、scratchライクにブロックプログラミングが可能です。用意されているブロックは限られているので、初心者でも時間をかけずに意図した動作を行えそうです。
ブラウザで https://ide.tinkergen.com/ にアクセスし、Bittleを選択することで、すぐにプログラミングを始めることができます。
基本はブラウザにアクセスするだけで開発できますが、初回だけはCodecraftAssistantというソフトウェアをインストールする必要があります。これはブラウザからシリアルポートにアクセスするために必要なソフトウェアです。
今回はGrove タッチセンサを使って、センサに触れるとPetoi Bittleが筋トレを行う動作をさせてみました。上記のようにブロックを配置しました。
書き込み方法
プログラムが完成したら書き込みを行います。書き込みは以下の手順で行います。
- "Upload"ボタンを押す。
- 該当するシリアルポートを選択する。
- "OK"を押す。
「Upload successfully」と表示されれば書き込みが完了です。Petoi Bittleがプログラムを実行し始めます。
Petoi Bittleとの接続方法はUSB接続かBluetooth接続の2種類あります。動き回るPetoi Bittleに毎回ケーブルを接続するのは面倒なので、Bluetoothで書き込みできるのは便利でした。
なお、初回の書き込み時には、CodecraftAssistantのインストールが必要です。"Upload"をクリックすると案内画面が表示されるので、指示に従ってインストールしましょう。
ブロック配置のコツ
スキルブロックについて、プログラミングする際に知らないとつまずきそうだったので説明します。
スキルブロックとは、"Walk forward"や"Sequece do push up"など、Petoi Bittleに一連の動きを与えるブロックのことです。このブロックを配置するのにコツが必要でした。
今、前進の動作を行わせるとします。ドキュメントを読まず直感的に置くと 1. になる人が多いのではないでしょうか。 1. を実行すると一瞬ピクッとして終わってしまいました。
動作ブロックの後には、"Execute the movement"というブロックを配置しないと実行されません。それを念頭に 2. にして実行してみても改善されません。
前置きが長くなってしまいましたが、スキルブロックを動作させるには 3. のように配置します。"Walk forward"という動作を一度セットして、"Execute the movement"でその動作を繰り返し行わせることで、動作が実現できます。
この"Execute the movement"について少し説明すると、"Walk forward"や"Sequece do push up"などのスキルは、サーボの角度を何フレームも組み合わせることで実現しています。"Execute the movement"はこのうちの1フレームだけを実行するため、繰り返し行わないといけないというわけです。
さいごに
以上、Petoi Bittleの簡単なレビューでした。Petoi Bittleは本日2023年3月10日に販売を開始しました。なお、当社で販売するのは組み立てが不要で、届いたその日から遊べるPre-assembled Packageです。
販売ページは以下です。ぜひご検討ください!