スイッチサイエンスでいろいろなデジタルコンテンツ販売できるようにするために、まずは内部のコンテンツでテストを開始します
高須です。
スイッチサイエンスのウェブショップで、デジタルコンテンツを売れるように準備を始めています。
なぜやるか
スイッチサイエンスのマーケットプレイスは、個人や法人の方が、自作したハードウェアを弊社で預かって、在庫販売しています。おかげさまで利用者は伸び続けていて、「ファームウェアやガーバーデータ、PDFでの同人誌など、データも販売したい」という要望をよくいただくようになりました。
昨年9月まで、スイッチサイエンスのECサイトは自社で構築したものを使っていて、改善の工数が足りないことと、以前に作ったもののドキュメントが不十分なことなどで、新機能の検討も難しい形でした。
現在はShopifyベースのものに置き換えたことで、新機能の検討ができるようになりました。
課題はなにか
Shopifyにはデジタルコンテンツ販売の機能があるので、そちらは問題ないのですが、スイッチサイエンスのシステム(社内では「バックオフィス」と呼ばれている)は「出庫」や「在庫」を前提に売上計算、製品IDなどが準備され、委託販売であれば毎月の売上集計、委託者様への支払いなどが行われています。
また、サイトの規約や支払い方法なども、今の在庫のある製品を前提に作られています。
新しいカテゴリの製品になるので、そうした影響範囲を洗い出し、決定する必要があります。システム開発だけですべてが完結するわけではありません。
多くの担当者が関わるようになると、社内の全員がすべての機能や規約を把握しているわけではないので、課題の洗い出しや決定は、どういうところが誰の担当になるのかを決めること含めて、ちょっと時間がかかります。
ユーザーからみても、「デジタルコンテンツは、物理的な在庫と一緒にカートに入れられない」「返品を受け付けられない」などの変化はあり、いろいろ決めることがあります。たとえばこういうページの内容を決めるのは難しい。
デジタルコンテンツ販売について
将来的には委託販売の拡張版ということで、様々なメイカーたちからデータをお預かりして販売することになる事を考えていますが、弊社での確認をどこまでやる/やらないのか、データのアップデートはどうやって行うのかなど、決めることはそれなりにあり、かつどこまでやれば100%なのかわからない仕事になります。
具体的にどこから始めるか
新規事業なので、あまり重たいシステムを最初に作りたくはありません。
Shopify以外の部分、バックエンドの在庫管理や売上計算の部分は、デジタルコンテンツを前提にしていないので、影響範囲が大きそうです。
そこで、
- 少しは売上/ダウンロード数が見込める
- システムが落ちたり、売上のカウントがしくじっても委託者に迷惑がかからない
- コンテンツの情報などがもう揃っている
コンテンツを、試しにいくつか販売してみることにしました。
僕は数年前にデジタル同人誌を出していて、そこそこ売上がありました。これを試しに販売してみます。最後に販売したのは4年前で、もう売上は落ちてるので、価格を半額や8割引にしても、カウントができずに売上が振り込まれなくても、ほとんど困りません。
いったん、僕や他の社員が出版済みのデジタル同人誌を大幅割引していくつかサイトに並べてみて、システムが動いて売上が発生しているところで、影響範囲を調べて最終的な仕様や、ビジネス的な要件(弊社の手数料をいくらにするか、とか)を決めていくことにしました。
早ければ5月のどこかのタイミングで、テスト販売が始まると思います。
その後、影響範囲と対応を確定させながら、範囲を広げていきたいと考えています。
最終的には、なるべく多くのメイカーが、いろいろなものを弊社のサイトで売れるようになればいいなあと思っています。おそらく、弊社でデジタルコンテンツを売るメイカーたちは、メイカーフェアや技術書店ほかいろいろな活動・マーケットにも参加していくので、日本のメイカー界がもっと元気になるでしょう。
5月10日追記
このデジタルコンテンツ販売プロジェクトは、3月から始まって、この記事はかなりシステム開発が進んだ、4月20日に公開しました。
その後もシステム開発や、「デジタルコンテンツを売るための社内の仕組み」を調整してきたわけですが、デジタルコンテンツは返品ができないし、今のハードウェアと違って同じソフトウェアの更新/アップグレードという概念があるし、買ってもらったものをどのぐらいの期間ダウンロードできるようにするのかなど、社内のオペレーションとしては、ハードウェアの販売とだいぶ違うことがわかってきました。
なので、特に商品の受け入れと販売で、今のマーケットプレイスと同じように扱うのは難しく、「どうやって進めていくか」については今後も検討が必要です。
多くの方からご期待いただいているので、前には進めていきたいと思っていますが、いろんなものがサイトに並ぶようになる/販売できる人が増えるまでは、まだしばらくお待ち下さい。
スイッチサイエンスはwebエンジニアを募集しています!
スイッチサイエンスは今もwebエンジニア(web系のシステムを使ったバックエンドのシステムを含む)を募集しています。こうした開発やアイデアなどで、メイカーたちをもっと元気にしたいwebエンジニアの皆様、ぜひフルタイム・パートタイム問わず応募よろしくおねがいします。